利益の源泉 [給料袋メッセージ94]

【利益の源泉】
きょうは給料日。月給袋のメッセージを書きました。
ホームページにある「社員紹介ページ」の中から、中堅・若手社員4人の話題を取り上げました。(通算94号)

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社員の皆さん、ご家族の皆さんへ

 

いつも社業への貢献、ありがとうございます。

 

会社ホームページにある「社員紹介」の記事を年初に改定しました。2月の月給文章でベテラン社員5人の言葉を振り返りました。少し時間が経ちましたが、今月はその続きです。

 

前田君もいつのまにか勤続11年を超えました。彼が21歳で入社した2005年当時は、まだレーザーが入る前。その3年前に導入したプラズマがフル稼働の頃でした。現場の前君とのコンビで事務所のCAMを支え続けてくれました。細かな作業への集中力、どんなに仕事が立て込んでも冷静な胆力。その前田君の持ち味が多忙を極めるプラズマを支えました。それはのちのレーザーにも活かされました。彼もこのあたりのことを振り返っています。

 

「会社のモットーは正確さと短納期。そのためにはCAMが迅速であることがとても重要で、大事な仕事を任されていると自負しています。一枚の大板に製品を敷き詰める仕事は、歩留り(効率性、収益性)に直結します。限られた時間の中でムダのない結果を求められる、やりがいの大きな仕事です。そして工場の機械を遊ばせないよう(ロスタイムが無いよう)、常に時間と戦っています」

 

正確さと短納期。私が営業を拡大するときに武器としているのが、まさにこの強みです。我が社の使っている材料はすべて一級品。しかしこれは、お金さえ出せば他社も使えます。レーザー加工機は最高峰のトルンプ社製。しかしこれも、お金さえ出せば誰もが買える機械です。しかしそれらを使いこなす社員力、そして総合力を生み出すチームワーク。それはお金では買えません。前田君のこの発言、この考え方が我が社の無形の資産であり、利益の源泉です。

 

大石君も勤続6年を超えました。25歳でアパレル業界から転身。全く違う畑に来たのですが仕事ぶりは筋金入りでした。店長として苦労した前職での経験が大石君の働く姿勢をすでに形作っていたものと思います。最初に担当したプラズマ、そして次にガス溶断、並行してレーザーと、現場の主力部門を次々にモノにしてくれました。

 

「ガス溶断はまだ3年目で、学ぶべきものが多いと思っています。前任者で40年以上もこの道でされていたベテランの先輩から仕事を引き継ぎました。学んだことを自分のものにしていきます。ガス溶断は職人の腕によって結果が左右されやすい仕事なので、安定した製品を出すことを目標に頑張っていきたいと思います」

 

思えば大石君が入社した2010年とは、リーマンショック後の大赤字を受けて会社の改革が始まったばかりの頃。利益もなかなか出なかった厳しい時代でした。大石君が頑張ってくれた6年間は、そっくりそのまま会社が回復軌道をひた走った時代。厳しい環境だったからこそ、愚直に仕事に向かってくれたものだと感謝しています。前任者の尾和田さんが勤続42年でお辞めになったのが一昨年の7月。もう2年以上が経ちました。その不動のポジションをしっかりと受け継いでくれています。本当にありがたいことです。一つ一つの仕事をモノにして、もっともっと幅を広げていってほしいと思います。

 

三宅君と河野君も社歴3年になりました。2人が入社した2013年頃はいろんな改革の成果が出始めた頃でした。経営理念・ビジョンが浸透しはじめ、社内の結束も強まりました。このときも求人難で人がなかなか来なかったのですが、心を鬼にして何人もの応募者の採用を見送りました。だからこそ、とことん納得して採用した2人はやはり間違いのない人材でした。会社の方針を理解し、先輩たちが大切にしているものを大切にしてくれています。

「製品をキレイに切るには、消耗品の管理など注意すべき点がたくさんあります。切断した製品を仕上げる際にキレイに切れているとホッとします。そして出荷する際にお客さんに喜んでもらえるのが、とても嬉しい瞬間です。もっともっと機械のことを知り、トラブルの時には一人で対処できるようになります。これまでこの機械を担当されてきた先輩方を目標にして、もっと自信を持って出荷できるようなキレイな切断面を追求します」(三宅君)

 

「レーザー加工機の運転では、良好な切断面を得るために工夫を重ねています。切断する板厚はさまざま(0.5ミリ厚~25ミリ厚)であり、それぞれに最適な切断条件(火力やスピードなどの入力データ)を追求しています。酷暑の夏、厳寒の冬では切断条件は異なります。最適なデータを探し、キレイな切断面に仕上げたいと思います。機械はときにトラブルで止まることもあるのですが、機械メーカーの技術者さんが来られなくても、自分でできる範囲内なら自分で修理できるくらいの知識を身につけたいと思っています。そして周りの先輩方を目標に一流の技術者を目指す、いや、先輩を超えていきたいです! 会社の雰囲気が明るくて楽しいので、仕事はキッチリと、オフは楽しくやっています。これから入ってくる後輩に負けることなく『頼られる先輩』になりたいと思います」(河野君)

 

これらの発言が若い2人の社員から出てくることに、頼もしさと嬉しさを感じます。今回は20代、30代の男性社員4人で紙幅が尽きました。いまの好業績を支えてくれているのが彼らの「考え方」そして「日々の実践」であることをあらためて確認します。ありがたいことです。

2016年9月23日
坂元鋼材株式会社 代表取締役 坂元正三