【無形の資産】
きょうは25日。給料袋のメッセージを書きました。
最近更新したホームページの社員職人紹介欄について。
(通算85号)
■■■■■■■■■■
社員の皆さん、ご家族の皆さんへ
いつも社業への貢献、ありがとうございます。
2年前に現在のホームページに刷新したとき、その目玉として「社員紹介」の欄を作りました。社員全員が登場し仕事内容、やりがい、目標を語っています。新しいメンバーが増えたため、最近このページを更新しました。
その編集をしていて「うーん、うちの社員はすごいな」と思いました。まさに「内輪ぼめ」ですが、今回はそうさせてください。
共通する質問の一つが
「仕事をしていてやりがいを感じるときはどんなときですか」。
ここを見ていると、ずっと考え続けている「何のために働くのか」という根源的な問いへの答えが見つかります。
「お客様に『ありがとう』と言ってもらえた時です。『忙しいのが大好き』なので、たくさんご注文を頂き、大量の仕事をこなしたときに大きな充実感を覚えます」
(糸井さん)
「お客様が笑顔を見せてくれた時です。『お役にたてて良かった』と感じます」
(荒川さん)
「難しい仕事を精度高くキチンと仕上げた時です。形が複雑なもの、扱いに注意が必要な小穴があるもの、2工程に渡る手間のかかる仕事など『他社がやりたがらないような仕事』でお客様に喜んでもらえた時のやりがいは格別です。お客様のお急ぎにお応えして喜んでもらったときも本当にうれしいです」
(吉山さん)
やはり共通しているのはひとから頂く「感謝」です。
人は何のために働くのか、何のために生きるのか。決して金銭的な報酬のためだけではなく「人のお役にたちたい」という私たちが本来持っている「貢献本能」を実感します。
それぞれのコメントには人柄もにじみ出ています。糸井さんの「忙しいのが大好き」という一言には、根っからの働き者であるご本人の性格が表れていて、頭が下がります。日本人の美徳を見る思いです。
「時に(あってはならないのですが)お客様からクレームを頂くことがありますが、解決に全力を尽くし、そしてお客様からお許しを得た時です。お客様は我が社を信頼して仕事を任せてくださっていますから、その信用・信頼を損ねることが最も怖いことと思っています」
(佐々木さん)
ここで佐々木さんが敢えてクレームというネガティブな話材を出していることに、その誠実な人柄を感じます。
「信頼」という我が社の経営理念を体現した話でもあります。
「『超短納期』のご依頼や、ご注文内容の急な変更などが少なくありません。お客様との打合せが円滑に進み、タイミングよく緊急の対応が出来たとき、うれしさを感じます。そのためには何より社内での迅速かつ緊密な連携が不可欠です。『各部署(事務所と現場)の機転の利いた対応があればこそ!』と実感します。チームで仕事をする仲間への感謝の気持ちが深まる一瞬でもあります」
(中上さん)
会社はチーム。一人ではできないことを成し遂げるために組織があります。人には長所と短所があり、お互いがカバーしあうことでその長所を伸ばし、短所を意味のないものにします。チームがチームとして機能するためには、よい人間関係を保つことが大前提。水質を良くしなければ、そこで泳ぐ魚は病気になってしまいます。もし人間関係が気まずければ、たとえば消しゴムの貸し借り一つにすら障害を感じるものです。
中上さんの言葉からは、共に働く仲間への感謝と思いやりが表れています。この連帯意識というものも、金銭以外の報酬と言えそうです。
百年企業を目指すことが会社のビジョンの柱。だからこその人財育成に触れたメッセージも多い。
「お客様に『対応が速い』『テキパキしている』などと言っていただけたときです。また、若手社員のスキルアップを実感したとき、そして若手社員がお客様にほめられた時です。若手が良く動き、手を抜かずに一生懸命仕事をし、そして仕事を好きになるような人財に育ってくれることが目標です」
(前君)
このメッセージは「相手の成功が自分の成功になる」という成功の原理原則をずばり言い当てたすごい発言だと思います。
「人の喜びを自分の喜びとする」という人徳の高さも感じます。
さらには人生哲学、労働観にまで踏み込んだ奥深いメッセージも。
「仕事に対する持論ですが『おってナンボ(居てナンボ)』ではなく『やってナンボ』『出来てナンボ』だと思います。社長から聞いた『サラリーマンは時間を売り、ビジネスマンは成果を売る』という言葉に通じます。私は職人でありビジネスマンです」
(前君)
「両親が溶断会社に住み込みで働いていたため、私は小学生のころから親の手伝いでガス溶断をしていました。もうこの道50年です。 ガス溶断は私の人生そのものです。私の技術を若手に教えることが次の目標です」
(荒川さん)
これらの珠玉のような発言に感銘を受けています。社員全員のメッセージを取り上げるつもりが、ベテランを紹介したところで紙幅が尽きました。また次月以降、あらためてこの話題をします。
これらのメッセージ、考え方が坂元鋼材という会社を形作ってくれる「無形の資産」です。感謝します。
2016年2月25日
坂元鋼材株式会社 代表取締役 坂元正三