経営理念というガードレール [給料袋メッセージ89]

【経営理念というガードレール】

 

きょうは25日。給料袋の社長メッセージを書きました。
(通算89号)

 

先日FBにもアップした「新卒採用向け理念メッセージ」を取り上げました。
我が社の「在り方」すなわち経営理念を綴った文章です。

 

その話へ至る伏線として触れたのが三菱自動車のデータ偽造事件。
数々の企業不祥事はなぜ起こるのか。
それが人間だからでしょうか、競争社会だからでしょうか。

 

私も弱い人間。
我が社も普通の人間の集まり。

 

だからこそ、軌道を外さないようにガードレールがある。
それが経営理念なのかもしれません。

 

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社員の皆さん、ご家族の皆さんへ

 

最近のニュース、三菱自動車の不正事件から考えてみます。燃費を良く見せたいばかりにデータをでっち上げた事件です。同社は過去にも何度か不正を働いています。ニュースの中では「犯人探し」が行われていました。「某部長が指示したのではないか」などとデータ偽造を指示した個人も追及されています。

 

この事件のために同社のみならず関連の下請け会社、消費者などが大きな被害をこうむりました。それを思えば個人責任の追及も仕方がないでしょう。

 

しかし「気の毒だな」とも思いました。不正を命じた人、関わった人もご本人たちは重々承知です。メシがのどを通らない日々だと思います。虚偽や不正のため結局は人が不幸になり、三菱自動車のような大企業といえども消滅の危機に瀕するわけです。

 

なぜこうした事件が後を絶たないか。
「企業間戦争を勝ち残るため」という厳しい現実がそうさせるのでしょうか。儲ける(他社に勝つ)ためには手段を選ばず。

 

今回のニュースに接して過去のさまざまな不正事件、それも多種多様な業界でのそれを思い出しました。

 

マンションの耐震偽装をした姉歯事件、国産牛肉の偽装発覚で消滅した雪印食品、豚肉に血を混ぜて「牛肉」として売ったミートホープ。最近でも冷凍廃棄カツの横流し、マンションの杭打ちデータ偽造など、枚挙にいとまがありません。

 

手段を選ばなかった結果、こうした企業、そしてそこに集う人たちは果たして幸せになったのだろうか。そこで働く一人一人の社員さんの顔を想像してみたとき、やはり気の毒に思います。
社員さんたちはどんな思いでデータを偽造したのだろうか、どんな気持ちで豚肉に血を混ぜたのだろうか、どんな感情をもって廃棄食品を横流ししたのだろうか。そこには必ず具体的な「個人」がいます。

 

先日の社内研修(アチーブメントによる理念浸透研修)で学んだことを思い出してみます。
「人生の目的は幸せになること」
「会社経営の目的は縁ある人を幸せにすること」

 

三菱自動車や雪印食品など数々の不正企業の社員さんは、果たして幸せだっただろうか。これこそ経営者の責任に違いありません。自社の社員、社外の関係者、消費者をも不幸にしたというのが結末です。

 

「目的を追求すること。お金(利益)はその後についてくる」

 

この言葉も、今回の研修で学んだことです。目的とはすなわちお客様、仕入れ先、働く社員、つまり縁ある人に幸せを感じてもらうこと。その目的を外した結果が今回のような事件であり、利益どころか会社消滅にもつながるわけです。

 

そういう意味では、世の中とはよく出来ているものと思います。
他山の石にせねばなりません。

 

いま、新卒の採用活動をしています。その求人サイトに向けて、会社プロフィールの文章を書き直しました。

 

日本全国にある三百万社以上の中から、学生は一社を選んで入社します。こちらも採用枠は一名。お互いが真剣勝負です。企業不祥事のニュースを聞きながら、当社が大切にしたい思いを書きました。

 

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【日本のモノづくりを素材(鋼板)から支える!】

 

日本という国はモノづくりが支えています。
しかし近年、偽装事件や企業不祥事など
残念なニュースが相次いでいます。

 

建築や食品など他業界を見渡してみても
「誠実」「信頼」「人の心」
という最も大切な理念が忘れ去られ、そして
「儲けさえすればよい」
という悲しい事件が後を絶ちません。

 

坂元鋼材の使命は、
日本のモノづくりを素材(鋼板)から支えること。

 

私たちが扱う鋼材は機械の重要部分に使われたり、
建物や構造物に姿を変えます。

 

いわば社会を縁の下から支えています。
さらに一度セットされてしまえば何十年と陽の目を見ないもの。
だからこそ、そこに間違いやごまかしがあってはなりません。

 

当社が手がけるのは「鋼板切断」という仕事。
その鋼板はお客様によってさらに加工され、
最終的には機械や建物などの「カタチ」となり
世の中の隅々に行き渡ります。

 

だからモノづくりの中間地点。
安心して使っていただける材料を世の中に提供するのが使命です。

 

そのために品質には一切の妥協を許さず、
レーザー加工機などのマシンも常に最高峰のものを
吟味して導入しています。

 

しかし素材やマシンがいくら上等でも製品を生み出すのは、
やはり「人」。

 

だから「匠の技」の継承、社員教育の充実には余念がありません。
日々の仕事の中で品質や技術を練磨し、
「やっぱり坂元鋼材さんで切ってもらいたい」
と、お客様にほめていただける技術力、仕事力
そして人間力の向上を常に目指しています。

 

お客様のご期待に「本物の仕事」で「本気」でお応えすること。

 

そのために何よりも重視しているのが
「社内の和」そして「チームワーク」。

 

もし22歳で入社し65歳の定年まで勤めるならば、
44年間の会社生活が待っています。
それは人生で最も脂の乗った時代。

 

会社で過ごす時間が充実してやりがいがあること。
そこに集う人々の人間関係がよいこと。
人生を安心して過ごすだけの経済的祝福を手にすること。

 

一人ではできないことを成し遂げるために組織があります。
「理想の会社」はどこにもありません。

 

それは仲間とともに力を合わせて自分たちで作ってゆくもの。
お客様から、そして仲間からいただく

 

「ありがとう」の一言のために。
ともに働き、ともに学び、ともに成長する仲間を求めています。

 

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 いい人材を求めるならば、まずはこちらがいい会社を目指さねばなりません。本物の仕事を本気で追求してまいりましょう。

 

二〇一六年五月二十五日                
坂元鋼材株式会社 代表取締役 坂元正三