【朝礼の風景】
きょうは給料日(25日)でした。
毎月の月給袋に「社長メッセージ」を入れ始めて、もうすぐ5年(通算66号)。
きょうの社長メッセージから。
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社員の皆さん、ご家族の皆さんへ
いつも社業への貢献、ありがとうございます。
ご家族の皆さんにも読んでいただけることを思い、会社の日常風景をご紹介しようと思います。
一日の始まり、朝礼を取り上げてみます。
朝礼が始まったのは今から六年ほど前。
リーマンショック直後に仕事が激減し、社内を立て直さねばならぬとの危機感に覆われていた時でした。
倫理法人会の「職場の教養」という冊子を利用しながら、見よう見まねで始めました。
今の形に変わったのは昨年三月から。
朝礼を初めて数年が経ち、我が社独自のスタイルを皆で討論して再構成したものです。
最初はまず「おはようございます」の挨拶。何事も礼に始まり礼に終わります。
そして経営理念の唱和。
仕事をする心構えであり、事業の目的であり、私たちの存在意義・こだわりを込めたものです。
続いて本日の予定と事務連絡。
そして日替わりの朝礼当番の人に三分間スピーチをしてもらう「当番タイム」があるのですが、その前に「昨日の振り返り、ありがとう、ヒヤリハット、情報共有」という時間を作りました。このねらいについて、書いてみます。
この場面では毎朝、次のような発言が飛び交います。
「昨日はAさんに応援していただきました、ありがとうございます」
「Bさんにミスを指摘してもらったおかげで大事に至りませんでした、ありがとうございました」
「Cさん。社員食堂の清掃、ありがとうございます」など、日ごろ社員同士が素朴に感じる「ありがとう」を言葉にして伝えています。なぜか。
「ありがとう」の反対語は何になるでしょうか?
よく言われることですが、それは「当り前」だそうです。
もし人の行為(好意)の「有り難み」に気づかなかったとしたら、「してもらって当然」などと万が一にも思ってしまったとしたら、それはなによりもその人自身が不幸ですし、そしてこれではチームは機能しません。
誰が言った言葉か忘れましたが、こんな名言があります。
「幸せとは『なるもの』ではなく『感じるもの』であり『気づくもの』である」
これは経営の神様・松下幸之助さんの名言にも通じます。
「感謝の心が高まれば高まるほど、それに正比例して幸福感も高まっていく」
「人の長所が多く目につく人は、幸せである」
会社経営の目的は、働く社員全員に幸せを感じてもらうこと。だから朝礼でのこの時間を、私は実は最も重視しています。
そして続く「情報共有・ヒヤリハット」の時間。
そこでは、前日のミスや失敗なども自主的に開陳してもらっています。
間違いや失敗はできれば直視したくないものですし、皆の前で話すことにためらいはあるはずです。
しかし、これも松下幸之助さんの名言が裏付けてくれています。
「失敗の原因を素直に認識し、『これは非常にいい体験だった。尊い教訓になった』というところまで心を開く人は、後日進歩し成長する人だと思います」
これに付け加えることはないのですが、敢えて言えば「自責の念」というものを持てるかどうか、だと思います。
以前に社内で紹介した小話がとても分かりやすい例です。
ある小学生の書いた「うちの家はみんなが悪い」という題の作文です。
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きょう私が学校から帰ると、お母さんが「お兄ちゃんの机を拭いていて金魚鉢を落として割ってしまった。もっと気を付ければよかったのに、お母さんが悪かった」と言いました。
するとお兄ちゃんは「僕が端っこに置いておいたから、僕が悪かった」って言いました。
でも私は思い出しました。きのうお兄ちゃんが端っこに置いたとき、私は「危ないな」って思ったのにそれを言わなかったから、私が悪かったと言いました。
夜、帰ってきてそれを聞いていたお父さんは「いや、お父さんが金魚鉢を買うとき、丸い方でなく四角い方にすれば良かったなあ。お父さんが悪かった」と言いました。
そしてみんなが笑いました。
うちはいつもこうなんです。うちはいつもみんなが悪いのです。
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何度読んでも感動します。
そもそも動物の一種である人間は自己防衛本能を持つがゆえに、本来は自己中心的な存在なのだそうです。
そうでなくては生き残れなかった。まだ幼い我が子を見ていると非常に納得させられます。
しかし人間は一人では生きてゆけない社会的な存在でもあります。
だからさまざまな経験を通して、いつしか自分中心から相手中心に移行してゆきます。
そこに人間としての成長があるのだと、この年になりつくづく反省します。
その意味で、この「昨日のミス、失敗、ありがとう」の時間は、私たちの人間性を日々磨いている時間であると言っても過言ではないように思うのです。
「職業以上に自分を磨くものはない」という言葉(アチーブメントの青木仁志社長)
この言葉をここでも実感します。
一番感謝し反省しなければならないのは一番責任の重い私であることを胸に刻み、自分を磨いていきたいと思います。
日々の朝礼の時間に感謝します。
二〇一四年十一月二十五日
坂元鋼材株式会社 代表取締役 坂元正三
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