若者に感謝 [給料袋メッセージ 80]

【若者に感謝】
きょうは給料日。月給袋に入れる文章を書きました。この2年間ほどに入ってくれた5人の若手社員が立派に育ってくれていることへの感謝を記しました。
(通算80号)

 

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社員の皆さん、ご家族の皆さんへ 

 

いつも社業への貢献、ありがとうございます。今期(2015年度)も半分が過ぎました。

上半期の決算を〆てみるとキチンと目標数値を達成しており、過去最高益だった昨年度の上半期をも上回っています。

世間の景気がどうであれ、いただけた仕事に感謝して誠実にこなしてゆけば心配することは無いと確信しています。

 

上半期を振り返って嬉しいのは数字だけではありません。ここ2年半前から1年と少し前までの間に入ってくれた20代の若者たち5人全員がメキメキと実力を付け、すでに立派な戦力に育ってくれていることです。

 

最初はA君でした。入社して間もなく先輩のB君からプラズマ担当を受け継ぎました。

扱いが難しいプラズマ機。それを何とかモノにしようと奮闘しています。

A君がプラズマを守ってくれているおかげで、先輩のB君はガス溶断のポジションに移行し、社歴40年以上だったベテラン職人・Cさんの後継者として大活躍してくれています。

A君はよく気がつく性格で、こちらが近寄っていくと、やっている仕事の手を止めてパッと駆け寄ってくれるほどです。

現場と現場の間を小走りに動き回るフットワークの軽さが、彼の仕事に対する意欲を現しています。

 

次がD君。いまで入社してほぼ2年ですが、すでにレーザー担当としてバリバリと活躍してくれています。

前任者があの鬼(いや仏)の先輩・E君です。

彼が心血を注いできたレーザー加工機を明け渡すのですから、E君の厳しいテストに合格したようなものです。

D君は明るくて声が大きく、いつも周りに元気を与えてくれています。

D君が●●社(同業他社)を見学してきたときに発奮してこう言いました。

「職人さんの話を聞いて、今後の坂元鋼材の技術者として一流の職人になりたい、いや、なったる! とつくづく思った。10年後の自分が楽しみになった」。

すごいセリフだと思います。

 

事務所に入ってくれたのが、まずFさんでした。持ち前の落ち着いた性格でCADの仕事を着実に受け継いでくれています。

図形に対する感覚が優れているので、前任者でベテランのGさんはさっさとポジションを譲りました。

CAD歴がもう十数年になる仕事師・Gさんの奥義の域に達するのは勿論まだ先ですが、それを目指してくれているのは頼もしい限りです。

 

そしてHさん。丁寧で粘り強い性格は、やはりCADに向いていました。

毎日大量に来る注文を黙々と正確に処理してくれます。

Fさんとコンビを組んでくれることで、Gさんなど先輩がCAD席に座ることはほぼなくなりました。

Gさんが営業事務に専念できるようになり、このおかげで私が自由になりました。

 

「日々の仕事を社員に任せ、社長がやるべき仕事に専念する」

「緊急ではないが重要な仕事(第2象限)に集中する」

 

その長年のビジョンが実現できたのも、若者たちのおかげです。

毎日の受注、見積もり、普段のお客さんとのやり取りはGさんやベテランのJさんたちにお任せし、私は経営者が本来やらねばならぬ仕事に注力させてもらえるようになりました。

 

最後にKさん。その明るくハキハキとした声が事務所全体を元気にしてくれます。

専門用語だらけの鉄鋼・溶断の仕事にも物怖じせずに正面から取り組み、営業事務の実力を日々磨いてくれています。

うちの事務所では、大黒柱を長年務めてくれているJさんのいずれの定年退職が大きな問題でした。

その大き過ぎる穴をどうしたらよいかがこの数年間の大きな課題でした。

 

Jさんは事務所をずっと支えてくれた仕事師です。

その遺伝子を受け継いでくれるかのようなKさんの働き振り、勉強振り。それを見ていると、長年の課題がゆっくりと解けてゆく思いです。

少し前の会議でKさんが言っています。

「鉄鋼業界は男社会。仕事をしていると女子だからと舐められることがある。お客さんから『男に代われ!』と言われたこともあった」

「Jさんが定年で辞められたら大きい。私たちが能力アップしないと」

 

この5人が5人とも毎日真剣に仕事に向き合ってくれているからこそ、現在のような良い状態に会社があります。

そこにはこの数年間、とりわけリーマンショック後に大赤字となったことを契機に先輩社員たちが一丸となって取り組んできたことの成果が現れています。

 

「世間の景気に左右されない会社を作りたい」
「和気あいあいとして、かつ仕事には厳しい会社に」
「チームワークが機能する全員野球のような会社を」

 

それを願ってきました。

 

先日、昔に書いた社内週報を読み返していたら、5年前に木村塾(BS経営塾)で木村勝男会長がおっしゃった言葉が書き留められてありました。

 

「『どんな会社を作りたいのか』というビジョンを社員に伝える。これから入る社員にも」
「経営は人に始まり、人に終わる」
「人を育てれる会社がいい会社」

 

この頃に撒き始めた良いタネが良い実を結びつつあるのだと実感します。ありがたいことです。下半期も、よろしくお願いします。

 

2015年10月23日               
坂元鋼材株式会社 代表取締役 坂元正三

 

https://www.facebook.com/syouzou.sakamoto/posts/887975711294051