過ちて改めざる、これを過ちという [給料袋メッセージ90]

【過ちて改めざる・・・】

 

 きょうは24日。月給袋のメッセージを書きました。
 4月から学んでいる論語セミナーのことから始め、我が社の「クレーム対応の原則」について書きました。
(通巻90号)

 

■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■

 

社員の皆さん、ご家族の皆さんへ

 

きょうは朝礼で私がときどき取り上げる「論語」の話を少し。
2500年も昔の中国の書物で、孔子様が説いた「人生訓」の数々をまとめたもの。古い書物なのですが、私たち現代人にとっても生きていくうえでの道しるべとなる話が満載です。

 

どんなに科学が進歩して人が宇宙にまで行ける時代になっても、相変わらず国と国は戦争をしますし、人と人も分かり合えなかったり、私たちは悩みながら生きています。

 

2500年の時間が経っても人間はちっとも変わっていない、いやむしろ退化しているのではないかと思うこともあります。

 

今年の4月から毎月1回、この論語を学ぶセミナーに通っています。長い時間を超えて受け継がれた言葉の宝石に出会う授業。これほど楽しい学びはなかなかありません。

 

論語には数々の名文句がありますが、きょう取り上げるのは有名なこの一節です。

 

■ 過(あやま)ちて改めざる、これを過ちという 

 

〔解説=ビジネス訳「論語」より引用〕 
トラブルの原因が自分にあることを知りながら言い訳することが本当のトラブルなのです。それはあなたの成長を止めるばかりでなく、あなたへの信頼も下げてしまうのです。誰でも過ちや失敗はあるものです。間違いがあったときに改めることが出来れば、もう「過ち」ではなく一つの経験となります。問題なのは、失敗をごまかしたり、知らぬ振りをして改めない場合です。これが本当の「過ち」ということです。
(以上、引用おわり)
  

                        
ここまで読むと、世間を騒がせるいろんな実例がすでに頭に思い浮かびます。

 

最近では東京都知事の舛添さんがそうです。公私混同で辞任に追い込まれましたが、ほかの政治家も似たような公私混同はやっているらしい。それに前々任者だった石原氏の経済失政による巨額損失に比べると一桁も二桁も小さな額です。

 

問題を大きくしたのは、問題に対する舛添さんの処し方でした。言い逃れや、いかにも見え透いたうそを重ねる姿が世間を怒らせました。問題が発覚したときに潔く認めて善処しておれば、世論の反応も違ったはずです。

 

論語セミナーでは、次の一説も習いました。先の言葉に通じるものです。 

 

■ 君子の過ちや、日月(にちげつ)の蝕(しょく)のごとし

 

「日月の蝕」とは日蝕、月蝕のこと。
間違いを犯した時にはそれを認めるタイミングが大事。謝ること、判断の間違いを認めること、その後の手を打つこと。つまり悔い改める姿までも人の目にさらされている、という意味だそうです。

 

速やかに対応するならば、それも見られている。日蝕、月蝕も一瞬のうちに終わる。同じように過ち、そしてその対応も長くは続かないもの。対処の方法が素晴らしければ、それも評価される、という話です。

 

我が社には「クレーム対応の原則」があります。すでに仕事をするうえで我が社の規範(ルール)になっていますが、これは私が社外のさまざまな学びから持ち帰ったものを自社に合うように再編集したものです。

 

論語を読んでみると、その考え方が通じ合っていることに驚きます。私たちの仕事の進め方には2500年前から続く人類普遍の原則があることになります。

 

私たちも人間。過ちも間違いも犯す人間。そのときにどう処すべきか、あらためて肝に銘じたいと思います。

 

・・・・・・・・・・・・・・・

 

【クレーム(失敗・ミス)対応の原則】

 

① クレームとはお客様が困っている状態。対応次第で信頼関係を強くできる絶好の機会。

 

② クレーム(ミス)の発生者責任は追及しない。ただし、報告・連絡を怠ってはならない。
 → 「罪を憎んで人を憎まず」「ミスを憎んで人を憎まず」
 → 責任を追及するのでなく、原因を追究する。  

 

③ クレーム(ミス)対応はすべてに優先する。とくに弊社の過失でお客様に迷惑を掛けた場合、最大限の手段で善処する。金銭(コスト)は一切気にしない。

 

④ 顔を出すこと(直接の謝罪)が大事。電話で謝罪する場合も、本人だけでなく社長が電話口に出て一緒に詫びる。イヤな思いを共有するのが大事。

 

⑤ 本人と社長がともに現場対応し、何が原因かを追究し、再発防止のために知恵を出す。

 

⑥ お詫びは丁重にする。お客様が「もうよい」と言って初めて解決する。

 

⑦ お客様は「お金」のことを言っているのではない。傷ついた心が癒されるのを待っているのだ。

 

⑧ 朝礼でミス・クレームを報告し、再発防止のために情報を共有する。

 

⑨ ミス・失敗=経験 と捉えること。成長の肥やしにすること。  

 

2016年6月24日
坂元鋼材株式会社 代表取締役 坂元正三

 

 

【フェイスブックページ】

https://www.facebook.com/photo.php?fbid=1030020337089587&set=a.140111756080454&type=3&theater