【私の志】
「よい会社を作り、よい社会を作る」
アチーブメント株式会社の「頂点への道」シリーズを受講して10年目に入りました。
この講座に出会ったときは41歳。
リーマンショック直後の大赤字に苦しみ、経営者としてどうしたらよいか分からず途方に暮れていました。
いま50歳。学びと実践の10年を振り返ってみます。
■ 無知の知
青木仁志社長が講座でたびたび口にする言葉が
「ビジネスはサクセス、プライベートはハピネス」。
初めて聞いたとき、耳に心地よく響きました。
そうなんだ。経営と人生は密接なんだ。
経営と人生、両方が良くならないと意味がない。
だから経営理念の前に「人生理念」――。
そう、だんだんと肚落ちしていきました。
3日間の講座で面白かったのは、
子供時代からの義務教育や高校・大学では学ばなかった情報や技術がたくさん詰まっていたこと。
少し挙げてみます。
・ 目標達成の技術
・ 人間関係構築の技術
・ 時間管理の技術
・ 人生を長期的にデザインしていく技術
・ 自分の考えをひとに伝える技術(伝達力)
どれも正面から学んだこと、考えたことのないことばかりでした。無知の知です。
知らないままでも人生は過ごせたでしょう。
しかしこの情報を手にした人生と、知らないままの人生。
それが、どれほど違うか。
■ 素人経営者の失敗
町工場の長男として3代目を望まれながらも、高校時代から新聞記者を志して大阪を離れていました。
しかし先代社長だった父が「すい臓がん」を患ったのを機に反省して会社に入ります。
父は治療の甲斐なく他界。私は未経験のまま30歳でいきなり経営者になりました。
そしてリーマンショックで大赤字に見舞われる40歳までの10年間、数々の失敗を重ねました。
・ 赤字経営
・ 営業ができない、わからない。
・ 求人を出しても人が来ない。
・ 雇ったら教育もせずほったらかし、社内がもめる。
・ 人の動かし方がわからず、イラっとすると怒鳴ってしまう。
・ 朝から晩まで多忙を極め、その日の仕事で手一杯。
・ だから会社を留守にできない。
・ 社員が長期の有給休暇を申し出ると、ドキッとしてしまう。
・ 「社長、経営は大丈夫か?」と社員に心配されてしまう。
・ いったいこの会社をどうしたいのか、わからない・・・。
いくら先代が突然に他界したとはいえ、よくもこんな私が経営していたものだと、いまさらながら空恐ろしくなります。
父の残してくれた経営基盤と社員さんのおかげで、なんとか会社が持ってくれたのでした。
■ 「無免許運転」だった私
たとえてみると経営者は大型バスの運転手のように思えます。
乗せているのは社員とその家族。
「こんな小さな会社でも社員の家族を入れると五十人が飯を食っている」という父のつぶやいた言葉を思い出します。
そんな重責なのに、ハンドルを握る私はバスの運転方法がわからない。
つまり会社経営の技術を知らない。
どこに向かっているかもわからない。
つまり理念(目的)もビジョンもない。
よく10年間無事だったものだと、冷や汗が出ます。
経営を学び始めるまでの私は「無免許運転」でした。
■ 学びを実践した10年間
アチーブメントに出会ってちょうど10年です。
まだまだ、まだまだ、まだまだ、まだまだ、これからです。
しかし問題は少しずつ改善しました。
・ 縁ある人の物心両面の幸福の追求、という経営の目的が肚落ちした。
・ 自己資本比率が向上(10%→70%)し、財務がようやく安定した。
・ 新卒採用に成功、社員が成長して大活躍。
・ 日常業務は社員のみが回すように。
・ 私は「緊急ではないが重要な業務」に集中。
・ 直近7年間の離職者が実質ゼロ。
・ 完全週休2日、残業ゼロ。
そしていま、です。
上り坂、下り坂、そして「まさか」と言われるコロナ禍に直面です。
「7割経済」という状況にあって当社も足元の受注が激減しています。
しかし、これに備えて作ってきたのが「財務のダム」であり「人材のダム」でした。
社員数を大きくは増やさず、少数精鋭主義でひとり一人を鍛えました。
そして自己資本を増やすことに注力しました。
この10年間もっとも大事な経営指標として追いかけてきたのが「社員1人当たりの自己資本」です。
返さなくていい「自分のカネ」が1人当たりいくらあるか。これが多いほど、不況に強い。
10年前はそれが400万円でしたが、いまは2000万円です。
極論すれば3-4年仕事がなくても社員に給料を払えます。
コロナで新たな危機を迎える日本経済ですが、いまこそ経営改革「第2幕」です。
会社をさらにパワーアップさせる絶好の機会とし、社内の結束をさらに強めます。
■ 戦略的人生経営
アチーブメントで学んだ重要な考え方の一つに、戦略的に人生を経営するという視点があります。
講座では青木社長の例として、次のように書かれていました。
17歳~27歳 学習の段階(種蒔き)
28歳~35歳 リーダーシップ形成の段階(種蒔き)
36歳~45歳 挑戦の段階(種蒔き)
46歳~60歳 富の形成の段階(収穫)
61歳~100歳 社会還元の段階(還元)
さて、自分に当てはめると、どうなのか?
いま、私は自分の人生をこのように考えています。
――――――――――――――――――――
15歳~29歳 学習の段階(種蒔き)
= 学生から新聞記者を経て3代目を継ぐまで
30歳~50歳 リーダーシップ形成の段階(種蒔き)
= 経営の失敗、そして学びによる実践と克服
51歳~60歳 挑戦の段階(種蒔き)
= 財務が強くて人の育つ「超一流の中小企業」へ
61歳~70歳 富の形成の段階(収穫)
= 後継者育成・委譲
71歳~92歳 社会還元の段階(還元)
= 経営人生40年の経験を世に伝え、社会をよくする
――――――――――――――――――――
■ よい会社を作り、よい社会を作る
アチーブメントを学んで8年目だった2018年、プロスピーカー試験に合格しました。
学んで経営や実生活が良くなったことを「証人(あかしびと)」として伝える役割です。
もったいないことであり、恐れ多いことだとも思いながら、この学びに感謝して務めさせていただいています。
私の不細工な経営者人生、特に当初の10年間の失敗談を恥を忍んでお話しすると、とくに若い経営者の方々が「私もそうです」「坂元さんのご経験とまったく同じです」と、共感してくださいます。
そうか。私の重ねた失敗は、世間の経営者にとってよくあることなんだ。
だから私の経験、とくに上手くいかなかった経験談が世の中のお役に立つのだ。
思えば日本社会は無数の中小企業で構成されています。
300万社以上の中小企業がある。
ということは、300万人以上の中小企業経営者が存在し、少なくない方々が私と似たような悩みを持っておられる。
だから私の志は「よい会社を作り、よい社会をつくる」。
自社をよくすることは出発点。
世の中に貢献し、そして社会全体をよくすることがゴール。
私の生きる道は中小企業経営者として日本をよくする道。
かつての少年時代、新聞記者としてペンの力で社会をよくしようと志を持った私。
いまは中小企業経営者として、同じ目的に立ち返っています。
先代から受け継いだこの会社を、どこまでも社会に貢献する会社に発展させる。
親からもらったこの命を、この社会をよくすることに使い尽くしていく。
これが私の志です。
一般財団法人日本プロスピーカー協会
ベーシックプロスピーカー 坂元正三
#私の志
#思考の中に未来がある
■ Facebook ページ
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