ビジネスは人脈! ―― 台湾で学んだこと

【同友会メンバーと行く台湾!】

大阪府中小企業家同友会(西支部)の企画で台湾に行ってきました。目玉は企業訪問ですが、素晴らしい台湾料理の数々に舌鼓を打つグルメツアーにもなりました。いい会社を作ろう、いい経営者になろうという共通の目的で集まった仲間たち。寝食を共にする数日で、メンバー相互の結びつきがまた強まります。

 

 

 

 

 

 

 

 

【コンサス土井会長の迫力】

ツアーの目玉が「株式会社コンサス」台湾工場の見学です。同友会仲間であるコンサス社長の土井靖士さんと私は「なにわあきんど塾」の同期生でもあります。8年前に机を並べてから、ずっと仲良くさせていただいています。あきんど塾の同期でも強力なリーダーシップを発揮されている経営者です。コンサスは台湾でモノづくりをされており、その工場を訪れました。

出迎えてくれたのは創業者である土井さんのお父様。今年83歳とお伺いしたのですが、そのご年齢を感じさせない若々しさ。眼力鋭く、すっくとした姿勢の良さ、そして張りのある声。数年前に大病を患われたとお聞きしましたが、そんなことをまったくうかがわせない迫力。それでいて、とても温かなお人柄で私たちを迎えてくださいました。

コンサスはもうすぐ社歴30年(台湾工場は20年)。土井会長が50歳を過ぎて前職から独立して作った会社。台湾工場は60歳を過ぎてからの設立になります。しかし台湾とのお付き合いはさらに古く、前職時代からの人脈(ご縁)がビジネスの大きな力になったとのこと。

「台湾とは五十年来のつきあい。最初は伊丹空港からDC8に乗って来た時代だった。いろんな話が出てきて商売が広がった。やがて円高で輸出がダメに。では現地でモノを作ろうか、となった」

「独立した時、30年後こうなるとは思っていなかった。気が付けば『コンサス』というブランドを持つメーカーになっていた。環境変化に対応し、キッチリやっていくと信頼される」

 

 

【ビジネスとは人脈】

また、台湾人との付き合い方の極意として――

「こちらではお酒が飲めなかったらアカン。乾杯、そして乾杯。それで人との輪が広がっていく。相手の心が分かってくると、いろんな話が段々と出てくる。昔はそうでした。中国人や台湾人は自分一人では飲まない。相手のコップが空くのを見ている」

今回のツアーでも台湾料理での宴会に土井会長の五十年来のつきあいになる台湾人脈が集ってくれました。そして、その「飲みっぷり」「飲ませっぷり」も実地に体験しました。私は本気でお受けしてエライことに・・・。

しかし、酒を酌み交わして胸襟を開いたことから距離がグンと近くなりました。最終日の昼食には、小籠包で日本でも有名な「鼎泰豊」(本店)を訪れました。本場の小籠包は絶品でした。しかし、後で知りました。日本人や韓国人の観光客でごった返すこの店は電話予約が不可、だから私たちのためになんと午前9時から行列に並んでいただいたということでした。おかげで私たちは美味しい小籠包を堪能できたわけです。申し訳なく、そしてありがたい気持ちで一杯になりました。台湾の人たちの歓待の気持ちをひしひしと感じました。

ご子息の土井社長が語ります。

「台湾にはネットワーク、人脈があった。パートナーがいたから台湾でモノづくりが出来た。安いから作る、安いから台湾、ではない。キッチリしたおつきあいをしていると、こんなん出来ひんか、とか宿題をいただく。それを一つ一つ乗り越えてビジネスが広がっていった」「ビジネスの承継とは人間関係、人脈を引き継ぐこと。会長が海外で構築した業者とのご縁を引き継ぐこと、それが大切」

土井さん、土井会長、台湾の皆さん、本当にありがとうございました。仕事をするうえでの大切なことを教えられました。また、80歳を超えてなお現役で凛として仕事に向かわれる土井会長に直に接して、力を頂きました。そして、この旅を企画してくれた同友会(西支部)のメンバーに深く感謝します。ありがとうございました。